最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)269 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人清水正男の上告理由について。
原判決およびその引用する一審判決認定の事情の下においては、被控訴人(被上
告人)のなした本件契約解除が信義則に違背するものでなく、また権利の濫用でも
ないとした原審の判断は正当である。所論は、本件和解契約成立の事情は如何にあ
れ、一たん和解が成立した以上、その和解条項が信義に従い、誠実に履行されたか
どうかの判断については、上告人の人格その他の過去の行動を主として問題とすべ
きでないというが、和解成立の事情の如何によりその履行につき要求される信義則
上の義務の程度も異るべきことは当然であるから、原審が本件和解成立の事情をし
んしゃくして前叙のように判断したことは違法とはいえない。論旨は採用できない。
よつて、民訴三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 石 坂 修 一
裁判官 河 村 又 介
裁判官 垂 水 克 己
裁判官 五 鬼 上 竪 磐
裁判官 横 田 正 俊
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